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Oracle RAC構築のためのASMディスク・グループ追加作成

カテゴリ:OSSセットアップ | ソフトウェア:Oracle | タグ:
最終更新日:2020/12/05 | 公開日:2013/06/08

目次

構成

想定環境

 ここではフラッシュリカバリ領域として利用するためのASMディスク・グループを作成します。 このタイミングでなければ作成できない訳ではないのですが、ディスク・グループ作成手順として まとめるためにあえて個別に切り出しただけです。

 Linux、Oracle製品をインストールするディスクの構成は以下の通りです。

 データベースを格納するディスクの構成は以下の通りです。 このページのメインテーマはディスク・グループ『FRA』の作成です。 そのために未使用のハードディスク5とハードディスク6を使って下図の通り構成します。 ハードディスク5と6はDBサーバ#1とDBサーバ#2の両方からアクセス可能なディスクです。

サーバ構成

OSバージョン

Red Hat Enterprise Linux 5.9 64bit

ソフトウェア一覧

Oracle Database 11g Release 2 (11.2.0.3.0) for Linux x86-64
Oracle Database 11g Release 2 Grid Infrastructure (11.2.0.3.0) for Linux x86-64

環境構築

設定

パーティションの作成

 まずはDBサーバ#1上でハードディスク5(/dev/sde)とハードディスク6(/dev/sdf)にパーティションを作成します。

※DBサーバ#1で実行する※
# fdisk /dev/sde
デバイスは正常な DOS 領域テーブルも、Sun, SGI や OSF ディスクラベルも
含んでいません
新たに DOS ディスクラベルを作成します。あなたが書き込みを決定するまで、変更は
メモリ内だけに残します。その後はもちろん以前の内容は修復不可能になります。

このディスクのシリンダ数は 2610 に設定されています。
間違いではないのですが、1024 を超えているため、以下の場合
に問題を生じうる事を確認しましょう:
1) ブート時に実行するソフトウェア (例. バージョンが古い LILO)
2) 別の OS のブートやパーティション作成ソフト
   (例. DOS FDISK, OS/2 FDISK)
警告: 領域テーブル 4 の不正なフラグ 0x0000 は w(書き込み)によって
正常になります

コマンド (m でヘルプ): n
コマンドアクション
   e   拡張
   p   基本領域 (1-4)
p
領域番号 (1-4): 1
最初 シリンダ (1-2610, default 1):  ←[Enter]を押す
Using default value 1
終点 シリンダ または +サイズ または +サイズM または +サイズK (1-2610, default 2610):  ←[Enter]を押す
Using default value 2610

コマンド (m でヘルプ): p

Disk /dev/sde: 21.4 GB, 21474836480 bytes
255 heads, 63 sectors/track, 2610 cylinders
Units = シリンダ数 of 16065 * 512 = 8225280 bytes

デバイス Boot      Start         End      Blocks   Id  System
/dev/sde1               1        2610    20964793+  83  Linux

コマンド (m でヘルプ): w
領域テーブルは交換されました!

ioctl() を呼び出して領域テーブルを再読込みします。
ディスクを同期させます。
# fdisk /dev/sdf
デバイスは正常な DOS 領域テーブルも、Sun, SGI や OSF ディスクラベルも
含んでいません
新たに DOS ディスクラベルを作成します。あなたが書き込みを決定するまで、変更は
メモリ内だけに残します。その後はもちろん以前の内容は修復不可能になります。

このディスクのシリンダ数は 2610 に設定されています。
間違いではないのですが、1024 を超えているため、以下の場合
に問題を生じうる事を確認しましょう:
1) ブート時に実行するソフトウェア (例. バージョンが古い LILO)
2) 別の OS のブートやパーティション作成ソフト
   (例. DOS FDISK, OS/2 FDISK)
警告: 領域テーブル 4 の不正なフラグ 0x0000 は w(書き込み)によって
正常になります

コマンド (m でヘルプ): n
コマンドアクション
   e   拡張
   p   基本領域 (1-4)
p
領域番号 (1-4): 1
最初 シリンダ (1-2610, default 1):  ←[Enter]を押す
Using default value 1
終点 シリンダ または +サイズ または +サイズM または +サイズK (1-2610, default 2610):  ←[Enter]を押す
Using default value 2610

コマンド (m でヘルプ): p

Disk /dev/sdf: 21.4 GB, 21474836480 bytes
255 heads, 63 sectors/track, 2610 cylinders
Units = シリンダ数 of 16065 * 512 = 8225280 bytes

デバイス Boot      Start         End      Blocks   Id  System
/dev/sdf1               1        2610    20964793+  83  Linux

コマンド (m でヘルプ): w
領域テーブルは交換されました!

ioctl() を呼び出して領域テーブルを再読込みします。
ディスクを同期させます。

ASMディスクの作成

 続いてDBサーバ#1上で作成したパーティションを使ってASMディスク DISK3 と DISK4 を作成します。 作成には oracleasm createdisk コマンドを使用します。作成後には oracleasm listdisks コマンドで 作成済みのASMディスクの一覧を表示して確認します。DISK1 と DISK2 は既存のASMディスクで、 ディスク・グループ DATA を構成済みです。

※DBサーバ#1で実行する※
# oracleasm createdisk DISK3 /dev/sde1
Writing disk header: done
Instantiating disk: done
# oracleasm createdisk DISK4 /dev/sdf1
Writing disk header: done
Instantiating disk: done
# oracleasm listdisks
DISK1
DISK2
DISK3
DISK4

他サーバからのASMディスクの認識

 DBサーバ#1で追加作成したASMディスク DISK3 と DISK4 をDBサーバ#2から認識させます。 前後で oracleasm listdisks を実行することで、ASMディスクのスキャン後に DISK3 と DISK4 が新しく認識されたことが分かります。

※DBサーバ#2で実行する※
# oracleasm listdisks
DISK1
DISK2
# oracleasm scandisks
Reloading disk partitions: done
Cleaning any stale ASM disks...
Scanning system for ASM disks...
Instantiating disk "DISK3"
Instantiating disk "DISK4"
# oracleasm listdisks
DISK1
DISK2
DISK3
DISK4

asmcaでASMのディスク・グループを作成

 LinuxのGUI環境(X Window System)上でターミナルを起動し、以下のコマンドを実行します。

# xhost +
access control disabled. clients can connect from any host
# su - grid
$ xhost +
access control disabled. clients can connect from any host
$ /u01/app/11.2.0/grid/bin/asmca

 「ASMコンフィギュレーション・アシスタント:ASMの構成:ディスク/グループ」画面が表示されたら、 [作成]ボタンをクリックします。

 「ディスク・グループの作成」画面が表示されます。 以下の通り設定して、[OK]ボタンをクリックします。

ディスク・グループ名FRA
冗長性○高
○通常
●外部(なし)
メンバー・ディスクの選択■ORCL:DISK3 PROVISIONED 20473 □
■ORCL:DISK4 PROVISIONED 20473 □

 「ディスク・グループ: 作成」画面が表示され、正常に作成されたメッセージが表示されていることを確認し、[OK]ボタンをクリックします。

 元の画面に戻り、ディスク・グループに FRA が追加されていることを確認し、[終了]ボタンをクリックします。

 以上でASMディスク・グループの作成は完了です。 作成したディスク・グループは後続のOracle Databaseインストール時にフラッシュ・リカバリ領域として利用します。