システムバックアップ取得
目次
概要
環境構築後、ハードディスクの故障など有事の場合に備えて システムバックアップを取得します。 ここではLinux標準の dump コマンドを使用してバックアップする 方法を紹介します。 dump コマンドはファイルシステム単位でのバックアップとなります。 ext2とext3のファイルシステムしかサポートしていませんので 注意してください。
構成
ここでは以下のようなパーティション構成であることを前提として 手順を紹介します。
- /boot : バックアップ対象 : 非LVM
- / : バックアップ対象 : 非LVM
- /backup : バックアップの取得先 : 非LVM
なお、手順簡略化のためバックアップ取得先は内蔵ディスクと していますが、バックアップしたファイルは外部媒体に移動して保管してください。
手順
システムバックアップ
構成情報の確認
dump コマンドによるバックアップはディスクイメージのバックアップ ではないため、リストアする際には事前にボリュームの復元(再作成)が 必要となります。 そこでまずは既存の構成情報を出力してメモしておきます。
# fdisk -l /dev/sda Disk /dev/sda: 8589 MB, 8589934592 bytes 255 heads, 63 sectors/track, 1044 cylinders Units = cylinders of 16065 * 512 = 8225280 bytes Device Boot Start End Blocks Id System /dev/sda1 * 1 13 104391 83 Linux /dev/sda2 14 535 4192965 83 Linux /dev/sda3 536 666 1052257+ 82 Linux swap / Solaris # # cat /etc/fstab LABEL=/1 / ext3 defaults 1 1 LABEL=/boot1 /boot ext3 defaults 1 2 devpts /dev/pts devpts gid=5,mode=620 0 0 tmpfs /dev/shm tmpfs defaults 0 0 proc /proc proc defaults 0 0 sysfs /sys sysfs defaults 0 0 LABEL=SWAP-sda3 swap swap defaults 0 0 /dev/sdb1 /backup ext3 defaults 1 2 /dev/cdrom /media/cdrom iso9660 defaults 0 0
/(ルート)以外のファイルシステムのバックアップ
ルート以外のファイルシステムはアンマウントした上でバックアップを行います。
# umount /boot # dump -0uf /backup/dump_boot_20081130 /dev/sda1 # mount -t ext3 /dev/sda1 /boot
/(ルート)ファイルシステムのバックアップ
ルートファイルシステムはログファイルなどデータの 更新が頻繁に行われています。まずはこの更新が 行われないように不要なサービスの停止を行い、 ファイルシステムを読み取り専用でマウントし直します。 不要サービスの停止は init コマンドでランレベルを 1(シングルユーザモード)に変更した上で行いますが、 可能であればシステムを再起動し、起動時に シングルルーザモードで起動するようにした方が安全です。 ここでは手順簡略化のため init 1 を使用します。
/boot ファイルシステムをバックアップする際には dump コマンドのオプションで -u を付与しましたが、 ルートファイルシステムでは付与しません。 -u オプションはバックアップ時に /etc/dumpdates ファイルに バックアップ情報を書き込みます。 ここでは /etc を含む ルートファイルシステムを 読み取り専用でマウントし直すために、書き込みできずに エラーメッセージが出力されます。 バックアップに関して実害はありませんが、念のため外します。
バックアップ終了後はルートファイルシステムを 書き込み可能な状態でマウントし直し、システムを再起動します。
# init 1 # mount -r -n -o remount / # dump -0f /backup/dump_root_20081130 /dev/sda2 # mount -w -n -o remount / # shutdown -r 0