RHEL 7.1のソフトウェア選択でインストールされるパッケージ一覧
目次
概要
Red Hat Enterprise Linux 7では、これまでのバージョン6からインストーラの画面が大きく変更になりました。 インストールの流れとして本質は変わっていないのですが、画面が変わるとすごく大きく変わってしまった気になってしまいます。 ただインストールの流れの中でややインパクトのある変わり方をしてしまったのが、 インストールするソフトウェアの選択に関する部分です。
バージョン6まではインストールするパッケージグループを選択し、 さらに詳細画面で個々のパッケージまで選択できていました。 そのため、パッケージグループを選ぶとどのパッケージがインストールされるかを インストール時に把握することができていました。
バージョン7からはインストール時に選択できるのはパッケージグループを さらにまとめたベース環境とベース環境にアドオンするパッケージグループになってしまい、 個々のパッケージとして何がインストールされるのか把握することができなくなってしまいました。 さらに、そもそもベース環境として選択したものによってどのパッケージグループが インストールされるかさえも見えなくなってしまいました。
とりあえず選択したベース環境でどのパッケージグループがインストールされるかぐらいは 把握しておきたかったので、調べてみました。
構成
サーバ構成
OSバージョン
Red Hat Enterprise Linux 7.1 x86_64
情報
パッケージ一覧
RHEL7ではベース環境として以下の6つが準備されています。
- 最小限のインストール
- インフラストラクチャサーバー
- ファイルとプリントサーバー
- ベーシック Web サーバー
- 仮想化ホスト
- サーバー (GUI 使用)
yumコマンドでこれらベース環境でインストールされるパッケージグループを調べることができます。 具体的には以下のコマンドを実行します。以下の例は「最小限のインストール」という名の ベース環境について調べるためのコマンドです。
# yum groups list 最小限のインストール 読み込んだプラグイン:langpacks, product-id, subscription-manager This system is not registered to Red Hat Subscription Management. You can use subscription-manager to register. Environment Group: 最小限のインストール Environment-Id: minimal 説明: 基本的な機能です。 Mandatory Groups: +core ←必ずインストールされるパッケージグループ Optional Groups: +debugging ←アドオンとしてインストール可能なパッケージグループ
上記の通り最小限のインストールではcoreパッケージグループがインストールされます。 このようにして調査した結果を以下の表にまとめます。 『○』は必ずインストールされるパッケージグループ、『△』はアドオンとして追加インストール可能なパッケージグループ、 空欄はインストールされないパッケージグループです。
パッケージグループ名 | 最小限の インストール | インフラ ストラクチャ サーバー | ファイルと プリントサーバー | ベーシック Web サーバー | 仮想化ホスト | サーバー (GUI 使用) |
---|---|---|---|---|---|---|
minimal | infrastructure- server- environment | file-print- server- environment | web-server- environment | virtualization- host- environment | graphical- server- environment | |
backup-client | △ | △ | ||||
backup-server | △ | △ | △ | |||
base | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
core | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
desktop-debugging | ○ | |||||
dial-up | ○ | |||||
debugging | △ | △ | △ | △ | △ | |
directory-client | △ | △ | △ | |||
directory-server | △ | △ | ||||
dns-server | △ | △ | ||||
file-server | △ | ○ | △ | |||
fonts | ○ | |||||
ftp-server | △ | △ | ||||
gnome-desktop | ○ | |||||
guest-agents | △ | △ | △ | ○ | ||
guest-desktop-agents | ○ | |||||
ha | △ | △ | △ | |||
hardware-monitoring | △ | △ | △ | △ | ||
identity-management-server | △ | △ | ||||
infiniband | △ | △ | ||||
input-methods | ○ | |||||
internet-browser | ○ | |||||
java-platform | △ | △ | △ | △ | ||
kde-desktop | △ | |||||
large-systems | △ | △ | △ | △ | ||
load-balancer | △ | △ | △ | |||
mail-server | △ | △ | ||||
mainframe-access | △ | |||||
mariadb | △ | △ | ||||
mariadb-client | △ | |||||
multimedia | ○ | |||||
network-file-system-client | △ | △ | △ | △ | △ | |
performance | △ | △ | △ | △ | ||
perl-web | △ | |||||
php | △ | |||||
postgresql | △ | △ | ||||
postgresql-client | △ | |||||
print-client | ○ | |||||
print-server | △ | ○ | △ | |||
python-web | △ | |||||
remote-desktop-clients | △ | |||||
remote-system-management | △ | △ | △ | △ | △ | |
resilient-storage | △ | △ | △ | |||
virtualization-client | △ | |||||
virtualization-hypervisor | △ | ○ | △ | |||
virtualization-tools | ○ | △ | ||||
virtualization-platform | △ | |||||
web-server | ○ | |||||
web-servlet | △ | |||||
x11 | ○ |
ではインストール時にどのベース環境を選べば良いのか悩みますが、 通常のサーバ利用であれば『インフラストラクチャサーバー』を選択すれば良いかなと思います。 インフラストラクチャサーバーではcoreとbaseがインストールされます。 coreは全ベース環境で共通的にインストールされるので評価しませんが、baseにはfile、lsof、logrotate、sysstat、tcpdump、which、zipなど 比較的良く使うパッケージ(コマンド)が数多く含まれていますので、インストールしておいて損はないと思います。
なお、coreやbaseなど各パッケージグループに含まれる個々のパッケージを調べるには以下のコマンドを実行します。 以下の例は「base」パッケージグループについて調べるためのコマンドです。
# yum groups info base
読み込んだプラグイン:langpacks, product-id, subscription-manager
This system is not registered to Red Hat Subscription Management. You can use subscription-manager to register.
グループ: ベース
グループ ID: base
説明: Red Hat Enterprise Linux の基本インストール
強制的なパッケージ:
acl
=at
=attr
authconfig
=bc
※以下省略※